treatment粉瘤の2つの治療方法
粉瘤の治療方法には、従来法(切開法)と
くり抜き法(へそ抜き法)の2つがあります。
それぞれに特徴とメリットとデメリットについて、
詳しく説明させて頂きます。
従来法(切開法)
従来法はくり抜き法ができる前からある手術方法で、メスを使って切開し、粉瘤の袋を破らないように、しっかりそのまま全部取り除くという方法です。
破れずに取り出せれば完全に摘出できるので、再発する可能性が少ないことになります。
ただ、粉瘤の大きさと同じくらいの長さの皮膚を切開するので、丁寧に綺麗に縫合するものの粉瘤の大きさによっては傷跡が大きくなってしまいますので、顔など露出して目立つ部分にできた粉瘤の場合には傷跡が気になってきます。
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従来法(切開法)の
メリットとデメリットメリット
- 再発の可能性が少ない
- 炎症を繰り返して皮膚と袋がくっついている粉瘤に対応できる
デメリット
- 傷跡が大きくなる
- 縫合するので抜糸の必要がある
- 炎症性粉瘤の場合は、一旦炎症を落ち着かせてから手術するという2段階の治療になる
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従来法(切開法)の
適 応- 何度も炎症や再発を繰り返している粉瘤
- 皮膚が分厚い部位にできた粉瘤 など
くり抜き法(へそ抜き法)
くり抜き法は、現在では粉瘤治療の一般的な手術方法になってきました。
粉瘤の真ん中に円筒状のメスで4~5㎜ほどの小さな穴をあけて、粉瘤の中身を押し出します。押し出した後に袋を丁寧に取り除くという手順になります。
切開した穴も小さいので、通常は縫合もせずに自然に傷が治るのを待つので抜糸の必要もありません。
従来法(切開法)に比べて傷跡が小さく、炎症を起こしている粉瘤でも対応できるのがメリットですが、うまく取り切れていないと粉瘤が再発しやすいことがデメリットになります。
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くり抜き法(へそ抜き法)
メリットとデメリットメリット
- 傷跡が小さくてすむ
- 短時間で手術できる
- 炎症を起こしている粉瘤でも手術できる
デメリット
- うまく取り切れないと再発しやすい
- 大きくなりすぎた粉瘤の場合は、袋が取り出しにくい
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くり抜き法(へそ抜き法)の
適 応皮膚が分厚い部分にできたり、何度も炎症を繰り返して皮膚と袋が癒着してしまっている粉瘤など、従来法(切開法)の適応になるもの以外は、くり抜き法(へそ抜き法)で対応できます。
従来法とくり抜き法のどちらを選択するかは、粉瘤が出来た場所や状態などから医師の判断によりますが、形成外科医は従来法、皮膚科医はくり抜き法が多いように思われます。